ステアリングの保護・劣化防止を目的とした、専用クリーム・ハンドルカバーのレビューです。
プロローグ
ステアリングは長く使用してくると、表面がツルツル・テカテカとなってしまいます。
車両購入にて新品サラサラのステアリングとなった際には、この状態を少しでも長く味わいたいものです。
新品ハンドル
画像では伝わらないのが残念なのですが、新品時のサラサラとした手触り感。
この上なく気持ちの良いものです。
本革ステアリング特有の初期段階にのみ味わえるこの感覚、人生の中でこれを体験できる回数は限られています。
しかし、経年と共に徐々にツルツルへと変化して行きます。(これが本革製品の味とも言えるのですが)
汗のかき易い夏場には特に皮への負担が大きく、劣化が激しいので細やかな清掃をしたい所です。
ステアリングの保護
本革ステアリングの新品状態をキープすべく、以下のアイテムを検証します。
皮用メンテナンスクリーム
本革製品の保護や清掃に使われるクリーム、専用品なので皮の状態を保護するには最適です。
革製品は状態が悪くなると固くなってしまい、ひび割れが出てしまいます。
その為メンテナンスは基本的に保湿が中心となり、油脂の力を借りる事となります。
新品状態で塗布した場合には、感触はどう変化するのでしょうか?
ハンドルカバー
ハンドル表面の保護には、物理的に劣化を防いでくれるハンドルカバーが一番確実です。
問題は装着時の違和感となります。
ステアリングは常に触れている部分なので、ハンドルの外形・素材が変われば大きな違和感を感じてしまいます。
後付けカーアイテムとしては、好き嫌いがはっきりと別れる商品と言えます。
操作に支障が出ないように違和感の少ない商品があれば良いのですが。
保護クリーム
ステアリングの手入れは、通常は固く絞った濡れタオルを使い汚れを拭き取ります。
市販のクリームを使えば汚れを取るだけではなく、潤いを与える事ができ皮の硬化を防ぐ事ができます。
商品によっては目に見えない皮脂汚れをも落とす効果があるのですが、手触り感についてはどのような変化が見られるでしょうか?
Volante crema(ヴォランテクレーマ)
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Daikei アクセサリー・カタログより
ステアリングの保護・リフレッシュ・老化防止・汚れ防止に優れた効果を発揮し自然な光沢を維持するイタリア製ステアリング専用クリーム。
このイタリア製のヴォランテクレーマは、ステアリング専用に開発された保護クリームとなります。
ステアリング専用という事で上質な手触りが期待できます。
販売はステアリングボスなど、ハンドル関連の商品を展開する大恵産業。
スポーク部はサラサラをキープ
上記の画像がヴォランテクレーマで手入れをしながら、長年愛用したステアリングとなります。
10年ほど使用したので手で握る面はツルツルになっています。
皮製品は経年劣化により硬化し、ひび割れが発生する可能性があるのですが、クリームのおかげでしっとり感が保たれ大きなダメージは見当たりません。
拭き取り後のベト付きも少ないので、ステアリングの清掃・保護には最適なクリームと言えます。
手で触れていない内側のスポーク部分にはクリームを塗っていなかったので、サラサラ感が残っている状態です。
しかし経年劣化を考えるとクリームでケアをした方が良いかと思います。
クリームの塗布
劣化の少ないスポーク部分ですが、このクリームを塗っていきます。
クリームの塗布前
クリームを塗布する前のスポーク部、手で触れる事がないので皮脂による劣化がありません。
艶なしカラーを保ち、サラサラな手触り感があります。
クリームの塗布後
2mm厚ほどのクリームを塗布しました。
見た目では判別できないのですが、触ってみると若干しっとり感が出ました。
しかし、まだサラサラ感も残っています。
一度の塗布でサラサラ感が失われる事はありませんでしたが、おそらく二度三度と塗布を繰り返すごとにサラサラ感は失われて行くと思います。
感 想
クリームによる保湿効果が感じられるので、長い目でみるとクリームによるメンテナンスを行うべきだと思います。
しかしワックス成分が入っているので、新品時のサラサラをキープするという意味では逆効果となり、光沢感を促進してしまいます。
クリームの使用はサラサラ状態を堪能してからの方が良さそうです。
ハンドルカバー
ハンドルの保護という面では、ハンドルカバーが最良と言えます。
個人的にはハンドルカバーは好まないのですが、せめて汗がかきやすく日差しの厳しい夏場だけでもカバーを付けてダメージから守りたい所です。
常時付けっぱなしにするのではないので、付け外しの容易な薄型の商品が条件となります。
しかしハンドルカバーはドレスアップという側面を持ち、数ある市販品のそのほとんどが厚みのある商品となります。
数少ない薄いタイプのハンドルカバーから、最薄と思われるボンフォーム製ネオフィットカーボンをチョイスしました。
ネオフィットカーボン
薄型なので折りたたまれています
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ハンドルカバーは、基本的には運転中にズレてしまわないようきつめに出来ているので、取り付けにはある程度の力を必要とします。
ステアリングの保護を目的とし、夏場を中心に使用をする場合には、取り付けのし易さもポイントとなります。
このボンフォーム ネオフィットは、”太くならない” ”簡単取り付け” を売りとした商品なので、まさに今回の目的に合ったハンドルカバーとなります。
取り付けにどの程度の力が必要となるのか、取り外しの難易度と厚みの変化を確認していきます。
カラーはブラックとブラック x レッドがあります。
取り付け
今回購入したものはSサイズ。
取付可能サイズは36.6mm〜37.9mm(ハンドルの最大直径寸法)、D型のハンドルにも取り付けができます。
ステアリング径を実測した所、約36.5cmでした。(トヨタ ライズ)
取付可能サイズの下限とほぼ同等のサイズなので、取り付け作業はし易いはずです。
まずハンドルの上部にカバーを掛けて、ここから力技で下側を引っ張ってハメます。
ハンドル径は下限サイズなのですが、カバーが入りきるまで伸ばすには、結構な力を必要とします。
力を入れると上で引っ掛かっている部分が外れてしまうので、非常にやりづらい状況です。
引っ掛かかり部分を何かで固定出来ればよいのですが。
力の加減を変えながら何度もリトライしました。
なんとか取り付けができたのですが、下部のセンター位置がズレています。
収縮性のある素材なので伸びを計算して位置決めをしなければならず、中々の難易度を感じました。
カバーの内側は滑らない加工がされているので、装着後にズラして位置だしをするのも難しいです。
ハンドルカバー内側の素材感 |
大きくズレてしまっている場合には一度外して、一からやり直した方が良さそうです。
もう一度はめる手間を考えると今回の所はやり直す気力が起きず、日を改めて再チャレンジする事とします。
力を必要とするカバーの取り付けですが、本品は素材が薄いので本体が伸びやすく、通常のハンドルカバーと比べると作業は楽だと思います。
しかしそこまでイージーではなく、女性の力では難しいのでは?と感じました。
”簡単取り付け” というよりも ”伸び易い素材” という表現がマッチしていると思います。
厚みが厚くならない点は良いのですが、明らかに生地の幅が足りていません。
ハンドル径の半分強位しかカバー出来ていない印象です。
取り付けし易さとのトレードオフとなるので仕方がないのですが、不満の残る部分と言えます。
位置合わせ
その後1週間経過し、位置を合わせ直すために一度取り外しました。
外してみるといい感じに伸びています。
多少でも取り付け作業が楽になってくれると良いのですが?
位置合わせが完成しました。
やはりカバー全体が伸びているので、格段に取り付け易すくなっています。
カバーの締め付けに余裕ができたので、左右にズラしながらの微調整も楽に行う事ができました。
この状態ならば ”簡単取り付け”も納得です。
純正ハンドルのステッチが丸見えになっているので、ブラックを選んだ方が良かったです。
繋ぎ目 裏 |
この部分はステアリングのトップ位置を示すトップマークではなく、単なるつなぎ目なので下向きでいいようです。
表面の素材感はスベスベしているので、滑り止めの効果は弱いと思います。
感 想
・ハンドルカバーの厚み
カバー装着により、約4mmの厚みがプラスとなりました。
通常のハンドルカバーと比べると、遥かに厚みが抑えられています。
握った感覚でも違和感が少なく、大きな変化は感じません。
耐久性や性能を考えると、これ以上薄くというのは難しいのではと思います。
・取付けの難易度
厚みが薄く収縮性のある商品なので、一般的なハンドルカバーよりも作業性は良いと思います。
初回こそきつくて苦労したのですが、生地が馴染んで伸びてからは簡単にハマるようになりました。
付け外しを繰り返すと、緩くなり過ぎる可能性もあるので程々にした方がよさそうです。
・総合評価
握った感触や素材に関しては価格相応、特に品質が悪いという事もないです。
カーボン柄のクオリティーに関しても可もなく不可もなくといった感じです。
唯一の不満点、そして致命的な欠点となりうる箇所が ”生地の幅が足りてない” という部分です。
ハンドルの内側、約1/3程がむき出しとなっており、ハンドルカバーという本来の機能が満たされていない状態とも言えます。
生地がない部分が広いので握った際の段差もやや気になります。
しかし、取り付けのし易さとのトレードオフという側面があるのでやむを得ない所ではあります。
まとめ
今回試したボンフォーム製の薄型ハンドルカバーですが、若干生地が足りていないというウィークポイントはありますが、取り外しが容易であり厚みの変化が少ないので、不定期な使用にはマッチしています。
汗のかき易い夏場を中心にハンドルカバーを使用し、劣化の進行を防ぐには良いかと思います。
ハンドルカバーが気に入れば常設してもよいですし、試す価値はあると言えます。
クリームの使用は光沢を促進する効果があるので、サラサラ状態を少しでも長くキープするには、少量に抑えた方がよいと思われます。
本格的な使用は皮の状態がある程度小慣れてからとし、普段の手入れには固く絞った濡れタオルを使いこまめに清掃して清潔に保ちたいです。
勿論、皮へのダメージ保護を優先するならば積極的にクリームを使い、メンテナンスする方が得策となります。
以上、
クリーム・ハンドルカバーよるステアリングの保護でした。