パノラミックビューモニター 完全ガイド - 視野角・距離感の検証

ヨタ ライズに装着されている俯瞰カメラ、パノラミックビューモニターの詳細です。

モニター上の見え方と実際の距離感などを検証しました。


車内モニターで自車を真上から見下ろした俯瞰画像として見る事ができる運転支援装置。

360°モニターやアラウンドビューモニターなど各社呼び方は違いますが、殆どのメーカーで設定される人気装備です。

トヨタ製パノラミックビューモニターの視野・距離感などを検証しましたのでレビューをします。




プロローグ


トヨタ・ライズに装着されるパノラミックビューモニター。

車両の前後・左右にあるカメラ画像を組み合わせ、擬似的に真上からの映像を作り出しています。

英語ではBird's-eye viewとも呼ばれるこの装置、車周辺360°を一度に確認することができるので、この上なく便利な事は間違いありません。

目標物のない駐車場で白線枠内へきっちりと停車させることは、ベテランドライバーでも難しい作業です。

しかし、パノラミックビューモニターがあれば、いとも簡単にやってのける事ができます。


しかしながら万能ではなく、あくまでも補助装置という位置付けの装備となります。

基本的には目視での安全確認が前提となるのですが、有効となる装備なのは確かです。

特性をしっかりと理解した上で有効活用したいです。


カメラスイッチ

視点の切り替えには、ステアリング左側についている、赤丸で囲まれたボタンを使います。

このボタンを押すごとに、ビューが切り替わります。

シフトポジションがR以外でパノラミックビューモニターを表示させた場合には、以下の条件で自動的にオーディオ画面に切り換わります。

・3分間操作をしない
・車速が10km/hを超えた場合



カメラの場所



雨天の始動時にはカメラ画像に水滴が映り込むのですが、走り出すと自然と取れてしまう事がほとんどです。

しかし、悪天候下では不意に泥汚れなどが付くケースもあるので、カメラの場所は事前に把握しておきたいです。

パノラミックビューモニターに関するカメラは、前後左右合計4つのカメラがついています。



フロントカメラ


スペースの狭い駐車場での車庫入れ時には大いに役立つフロントカメラ。

感覚に頼らず、障害物との間隔を確実に把握する事ができます。

ライズではセンターグリル中央についています。



サイドカメラ


車高が高く死角が大きいSUVなどでは、サイドアンダーミラーの設置が保安基準で義務付けられています。

しかし、サイドカメラがあればサイドアンダーミラーの必要はなく、スマートに車両左側の確認ができます。

サイドカメラは、ほとんどの車両でドアミラー下部に付きますが、ライズでも同様です。





バックカメラ


バックカメラは後部エンブレムの下側、バックドアのレバー脇に付いています。

中央からはやや左にずれた位置となりますが、バック映像に違和感を感じる事はありません。

バックカメラ




フロントビューの種類



シフトポジションがR以外の状態でカメラスイッチを押すと、フロント・サイド・トップの映像を確認する事が可能です。

カメラスイッチを押すごとに、下記のように表示画面がループします。

トップビュー&フロントビュー
サイドビュー
フロントワイドビュー


フロントグリル中央、赤丸がカメラ位置です。


モニターに映り込むギリギリの距離に、高さ315mmの目標物を置きました。(正面から見るとほぼカメラの真下となります)

目標物をこれ以上近づけると、死角に入るので映りません。



トップビュー&フロントビュー


車両真上からのトップビューと車両前方のフロントビューが、モニター上に2分割で表示されます。

トップビュー&フロントビュー


右のフロントビューには目標物が確認できますが、左側のトップビューには映っていないようです。

トップビューの拡大

トップビューの画像を拡大しましたが、やはり確認できません。

トップビューでは車体の前後に大きめの黒い帯が入るので、近すぎる物体は映らないようです。

どの道トップビューは画面領域が狭いので、小さい目標物の確認は困難だと思います。



フロントワイドビュー


フロントワイドビュー


トップビューが消え、前方を映し出すフロントビューの映像のみとなります。

2分割のフロントビューよりも広角となり、左右の視野が広がっています。



目標物をカメラの真下から横方向へズラしてみました。

カメラからは斜めのアングルとなり、目標物のサイド部分が映っています。

カメラ中央から僅かにズレただけでも、サイド部分が大きく強調される傾向にあります。



サイドビュー


左右のドアミラー下側についたカメラを使い、車両のサイドを確認します。

モニターではドアミラーを含む車幅が、ガイドラインとして表示されるので、車両感覚を掴む補助としても利用ができます。

赤丸がカメラの位置です。

ドアミラーのすぐ外側に目標物を置いて、モニターでの見え方を確認します。



緑のガイドラインがドアミラーを含む車幅位置となります。

赤丸部分に目標物が映っており、車両との間にスペースが確認できます。

下が拡大画像です。


目標物の先端が緑のガイドラインよりも外側に映っているので、ドアミラーよりも外側にあることになります。

カメラからは斜めアングルでの映像となるので、目標物の側面も映し出されてしまい先端部が分かりづらい状態です。

車両との間にスペースがある事は確認できるのですが、目標物が小さすぎると正確な位置関係の判断は難しそうです。



リアビューの種類



シフトポジションをRに入れると、自動でトップビュー&リアビューが表示されます。

その状態でカメラスイッチを押すと、下記のように表示画面がループします。

トップビュー&リアビュー
リアワイドビュー
左サイドビュー&リアビュー


赤丸がカメラの位置です。


リア側にも同じくモニターに映り込むギリギリの距離に、目標物(高さ313mm)を置きました。


トップビュー&リアビュー


トップビュー&リアビュー

真上からのトップビューと車体後ろのリアビューの2画面構成です。

リアビュー側には目標物が映っています。

トップビューの拡大

左側のトップビューを拡大しました。

フロントと同様に車体の前後に黒い帯ができ、近すぎる物体は映りません。



リアワイドビュー


リアワイドビュー

モニター全体が車体真後ろの画像となります。

フロントワイドビューと同じく、左右の視野が広がります。


左サイドビュー&リアビュー


左サイドビュー&リアビュー


左側のサイドビューとリアビューの2画面構成です。

バック画像と運転席からは死角になり易い、左側サイドの組み合わせとなります。



フロントカメラの視野



約2車両分右横、前方に目標物を置いてモニターで確認をしてみます。


トップビュー&フロントビュー

真上からの映像と車両前方が一度に映し出されるトップビュー&フロントビュー。

この映像では視野が狭く映っていません。


フロントワイドビュー

フロントワイドビューは車両前方のみが映し出されます。

湾曲した広角カメラなので、端の方に小さく映り込んでいます。

ただそこまで解像度が良くはないので、見通しが悪い交差点での活用は期待できません。

自分の目で見た方が早いですし、カーブミラーの方が遥かに確認し易いです。




注意点



モニターの映像にはガイドラインが表示され、前車や障害物との距離を測る目安となります。

しかし、この映像はあくまでも2Dの画像だという事を、理解しないと思わぬ接触を起こしかねません。


A点とB点ではBの方が距離は遠い位置にあります。

基本的には距離が遠ざかるほどにBのように位置が上に移動します。

ではB点とC点ではどちらが遠い距離にあるのか?

もちろんBです。

CはBよりも映像的には上の位置にありますが、Cの方が手前にあると理解する事ができます。

これはCがAにより地面と繋がっているからです。

仮にCが空中に浮いていたのならば、Bよりも遠くに見えてもおかしくありません。

遠くに見えるのでまだスペースがあると勘違いし、接触してしまう可能性がありあます。


現実的にCが空中に浮いている状態があるのかというと、車高の高いトラックなどが該当します。

バンパー位置が地面と離れ、高い位置にあるので錯覚を起こす要因となります。

遮断器のバーなども同様です。

上の位置にあると遠くに見えるという錯覚現象は、前方が登り坂になっている場合でも当てはまります。(下り坂の場合には、逆に近くに感じることになります)

自車位置の前が急激な登りや下り坂になっている場合では、実際の距離との乖離が生じやすいので慎重な判断が必要となります。(バック時・後ろ側も同様です)



表示例



有料駐車場の出口での画像です。

支払機の形に違和感を感じますが、カメラとの位置関係が理解できていれば納得の画像です。




駐車位置のナンバーが、綺麗に補正され映し出されている所は感心します。



自車の影も忠実に再現されているので、これにより太陽の方角が判りそうです。



まとめ



運転支援技術が発達している現在、車の安全が飛躍的に向上していると言えます。

しかし、パノラミックビューモニターもそうなのですが、あくまでも補助装置でありミラーや目視での確認が基本となります。

慢心して気を抜いてしまう事自体が、安全運転における最大の落とし穴といえます。

先進技術と上手に付き合いながらカーライフを楽しみたいと思います。


☆☆☆☆☆☆
今回、目標物として使用したものは、マグライト社製のフラッシュライトになります。
単1電池を3本使用したLEDモデルとなり、315×39mm(重量:約450g)の大型サイズを誇ります。

明るさもさる事ながら、その大型のボティーはいざという場合のセキュリティーとしても活躍してくれそうです。

アップグレード【明るさ:168ルーメン / ブラック / BEAM DISTANCE 412m モデル 2nd LED専用モデル】MAGLITE 3D LED BLACK ST3D016マグライト 3D LED本体色:ブラック


以上、

パノラミックビューモニターでした。